
2018年05月23日 (水) | 編集 |
時間つぶしの立ち読みも、またニッポンの文化

・・卸業者の倒産の煽りで、一年前に閉店してしまった老舗の書店

先日、通りかかったら、ひっそりと再開していて嬉しい驚き

店内の棚は、まだまだ空きが目立っていたり、
営業は、平日の昼間だけ、など細々だけれど、
何十年も地元に愛されてきた書店の復活はとても嬉しい^^*
店内に入ると、本屋さん独特の香りが。
単行本の棚は、真新しいインクの匂い。
文庫本の棚は、ちょっと年月を経た紙の不思議な匂い、癒され空間。
文庫本は、普及を目的にした小型・携帯用の廉価な再販本。
欧米だとペーパーバックがあるけれど、大きくて厚くてパルプ感が満載。
欧米の方が文庫本を見ると、口を揃えて素晴らしいと言われる。
コンパクトにキチンと作られた文庫本、目立たないけれど日本独自の文化

最近は、電車で文庫本を開いている人を見かけることが少なくなった。
スマホに忙しかったり、電子書籍の方が便利だったり。
本屋さんの栞や紙カバー、ページをめくる楽しみ、
文庫本の文化、これからも無くならないといいな


2017年10月30日 (月) | 編集 |
言葉の海、
誰かと繋がりたくて、広大な海から言葉を探す人達に捧げる船、
辞書の編纂とは船を編むこと
・・岩波書店が、広辞苑を約10年ぶりに改訂するとのこと。
第6版で見送られた言葉や、新たに収集された言葉から一万項目を追加し、
近年は使われなくなった言葉を削除して、
計25万項目の“日本語として定着した言葉”が収録される。
広辞苑の原形は、1935年に博文館から刊行された“辞苑”に遡る
第二次世界大戦下で、改訂編集資料の焼失危機や、出版社の紆余曲折を経て、
1955年に岩波書店から、広辞苑に名を変えた初版が刊行されるに至った。
辞苑の改訂作業開始から20年もの年月を経てのこと。
戦前・戦後の激動の変化は勿論、時々の社会情勢と文化を反映するために、
これまで、どれだけ多くの人達が、精魂を傾け続けてきたことだろう。
厚さ8cm、重さ2.5kgの“巨大な”国語辞典は、
その見掛け以上に、日本人にとって重く、大切な存在なのだと改めて思う。
誰かと繋がりたくて、広大な海から言葉を探す人達に捧げる船、
辞書の編纂とは船を編むこと

・・岩波書店が、広辞苑を約10年ぶりに改訂するとのこと。
第6版で見送られた言葉や、新たに収集された言葉から一万項目を追加し、
近年は使われなくなった言葉を削除して、
計25万項目の“日本語として定着した言葉”が収録される。
広辞苑の原形は、1935年に博文館から刊行された“辞苑”に遡る

第二次世界大戦下で、改訂編集資料の焼失危機や、出版社の紆余曲折を経て、
1955年に岩波書店から、広辞苑に名を変えた初版が刊行されるに至った。
辞苑の改訂作業開始から20年もの年月を経てのこと。
戦前・戦後の激動の変化は勿論、時々の社会情勢と文化を反映するために、
これまで、どれだけ多くの人達が、精魂を傾け続けてきたことだろう。
厚さ8cm、重さ2.5kgの“巨大な”国語辞典は、
その見掛け以上に、日本人にとって重く、大切な存在なのだと改めて思う。

2016年03月02日 (水) | 編集 |
時代の流れとは言え、寂しいものである
・・古くからの本屋さんが惜しまれつつ閉店、とのこと
仕入れ先業者が廃業してしまい、営業を続けるのが困難になってしまったようだ。
つくばに移り住んで以来、本屋さんと言えばこのお店。
休日など時間があれば朝から晩まで立ち読みに耽っていた場所。
老若男女の本好きがたむろする光景、本屋さん独特の紙とインクの匂い。
電車の中でもスマホばかりで、文庫本を手にする人がほとんどいなくなった昨今、
アナログな文化が姿を消してゆくのは残念でならない
(「記憶の中の小説」四につづく)

・・古くからの本屋さんが惜しまれつつ閉店、とのこと

仕入れ先業者が廃業してしまい、営業を続けるのが困難になってしまったようだ。
つくばに移り住んで以来、本屋さんと言えばこのお店。
休日など時間があれば朝から晩まで立ち読みに耽っていた場所。
老若男女の本好きがたむろする光景、本屋さん独特の紙とインクの匂い。
電車の中でもスマホばかりで、文庫本を手にする人がほとんどいなくなった昨今、
アナログな文化が姿を消してゆくのは残念でならない

(「記憶の中の小説」四につづく)

2014年06月04日 (水) | 編集 |
最近めっきり読書の習慣が無くなった旦那の書棚は、ほぼ倉庫と化している
・・家内曰く、NHKのドラマ“ロング・グッドバイ”がなかなか面白かったとのこと。
自分は第一話の冒頭だけ視て、舞台設定の違和感から視ていなかったのだけど。
お薦めならば再放送の機会にでも視てみようかな、という気になった。
チャンドラーのフィリップ・マーロウ。
“さらば愛しき女よ”“かわいい女”それから“長いお別れ”。
スピレインのマイク・ハマー。
“裁くのは俺だ”
学生時代に一時期、古典的ハードボイルドな探偵小説に嵌ったことがあった。
喫煙の契機は、間違いなく彼等の咥えタバコである
読書の趣味は、固茹で卵から、やがて古典的探偵小説へ。
クリスティのエルキュール・ポアロとミス・マープル、それからエラリー・クイーン。
時間だけは有り余っていた時代で、憑かれたようにほとんど読破したことも懐かしい。
今度の休みに、すっかり埃を被った書棚の整理でもしてみようか。
(「記憶の中の小説」参につづく)

・・家内曰く、NHKのドラマ“ロング・グッドバイ”がなかなか面白かったとのこと。
自分は第一話の冒頭だけ視て、舞台設定の違和感から視ていなかったのだけど。
お薦めならば再放送の機会にでも視てみようかな、という気になった。
チャンドラーのフィリップ・マーロウ。
“さらば愛しき女よ”“かわいい女”それから“長いお別れ”。
スピレインのマイク・ハマー。
“裁くのは俺だ”
学生時代に一時期、古典的ハードボイルドな探偵小説に嵌ったことがあった。
喫煙の契機は、間違いなく彼等の咥えタバコである

読書の趣味は、固茹で卵から、やがて古典的探偵小説へ。
クリスティのエルキュール・ポアロとミス・マープル、それからエラリー・クイーン。
時間だけは有り余っていた時代で、憑かれたようにほとんど読破したことも懐かしい。
今度の休みに、すっかり埃を被った書棚の整理でもしてみようか。
(「記憶の中の小説」参につづく)

2011年02月10日 (木) | 編集 |
テレビのリモコンとマウスばかり手にしているかと思えば、
旦那の部屋は新旧折々の文庫本が積まれていたりする、一体いつ読んでいるのやら
・・心に残る小説と、脳裏に焼き付く小説がある。
スティーブンキングの“アトランティスのこころ”は、自分にとって後者である。
スティーブンキングは、日常に潜む不思議や恐怖の描写が上手なストーリーテラーである。
アトランティスのこころは、彼が五十二歳のときに書かれた長編小説。
キャリー、シャイニング、ファイアスターターのように、ホラーらしいホラーではなく、
ショーシャンクの空に、グリーンマイルのように、心を締め付けられるモノガタリである。
第二次世界大戦後のアメリカがアメリカらしかった時代。
ピースマークに象徴される反戦運動、彼らが掲げた理想と失墜、限りない挫折と喪失。
主人公ボビーの幼年期から晩年までの生涯が、切なくも痛々しいエピソードと共に語られる。
読み終えた後、感情移入が過ぎて、喪失感がトラウマとなって脳裏に焼きついた小説である。
谷崎潤一郎の“痴人の愛”や、夏目漱石の“こころ”、もまた然り
再び手にとることが切ない、が、決して記憶から消え去ることもない、そんな小説である。
(「記憶の中の小説」(弍)につづく)
旦那の部屋は新旧折々の文庫本が積まれていたりする、一体いつ読んでいるのやら

・・心に残る小説と、脳裏に焼き付く小説がある。
スティーブンキングの“アトランティスのこころ”は、自分にとって後者である。
スティーブンキングは、日常に潜む不思議や恐怖の描写が上手なストーリーテラーである。
アトランティスのこころは、彼が五十二歳のときに書かれた長編小説。
キャリー、シャイニング、ファイアスターターのように、ホラーらしいホラーではなく、
ショーシャンクの空に、グリーンマイルのように、心を締め付けられるモノガタリである。
第二次世界大戦後のアメリカがアメリカらしかった時代。
ピースマークに象徴される反戦運動、彼らが掲げた理想と失墜、限りない挫折と喪失。
主人公ボビーの幼年期から晩年までの生涯が、切なくも痛々しいエピソードと共に語られる。
読み終えた後、感情移入が過ぎて、喪失感がトラウマとなって脳裏に焼きついた小説である。
谷崎潤一郎の“痴人の愛”や、夏目漱石の“こころ”、もまた然り
再び手にとることが切ない、が、決して記憶から消え去ることもない、そんな小説である。
(「記憶の中の小説」(弍)につづく)
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