「カーナビ妄信」
2011年05月20日 (金) | 編集 |
旦那の車にカーナビはない、シフトもマニュアル、古風なのが良いのだそうである

・・カナダ人夫妻が米国の荒野で四十八日間(日!時間でなく)も迷子になったとのこと。
アイダホ州からネバダ州に向かう際にカーナビが提示した近道を妄信してのことらしい。
米国当局はなんと、西部を車で移動する旅行者にGPSを過信しないように呼びかけている。
火星まで宇宙船を飛ばしている国である、落差の激しさには恐れ入るばかりである。

北米大陸を東はボストンから西はサンフランシスコまで約四万キロをドライブしたことがある。
レンタカーに漏れなくカーナビが装着されている時代ではなかったので、
その日の目的地を決めたら、あとは専らトリプルエーから貰った地図が頼りである。
途中、あちこちの名勝地に立ち寄ったが、ルートの分かり易さは我が国とは雲泥の差である。
米国はタテヨコに主要なフリーウェイ網があり、市街地でなければ一般道もほとんどない。
街から街への旅行はフリーウェイをひた走ればいいのである。
流石に市街地に入ると道路は入り組んでいるが、一本一本の通りに名前がついており、
標識も随所に立っているので、余程慌ててでもいなければ容易に目的地に到達できる。

が、恥ずかしながら、二回だけ、思いっきり道に迷った覚えがある。
一回目は、サウスダコタ州のモーテルを出発した朝のこと、方向を百八十度間違えた。
寝ぼけていた為、フリーウェイを逆方向(逆行ではない)に二時間ほど走って気がついた。
果てしない田園風景が続くなか、隣町の標識が出てくるまで気が付かなかったのである。

二回目は、先のカナダ人夫妻に似ている。
ユタ州からネバダ州に向かう途中、走っていたフリーウェイが突然の工事で行き止まりに。
工事標識に従って農道を行くが、暫くすると迂回路の標識もなくなった。
土埃の舞う凸凹の田舎道を彷徨うこと三時間、ホウホウの体で小さな集落に辿り着いた。

米国西部では、フリーウェイ網が粗いので、ショートカットしたい気持ちはよく分かる。
しかし大抵の場合、近道は農道や私道であり、再び舗装路に出られる保障はない。
擦れ違う車も人影も、ガソリンスタンドもなく、荒野にはガラガラ蛇がとぐろを巻いている。
四十八日間迷子というのはいくらなんでも眉唾だが、
ガス欠でケータイも通じなければ、近くの人家を歩いて探すか、狼煙でもあげるしかない。
以前にも書いたが、アメリカは“広大なる片田舎”(一部都市域を除く)なのである。