「ドラマ・アニメ鑑賞」(拾一)プラネテス。
2011年05月31日 (火) | 編集 |
NHKには受信料と税金が投じられている分、良作を期待するのがヒトの常。
現実には戦国武将の三姉妹のハナシとか、ちょっと勘弁な作品も最近多いのである

・・プラネテス、2003年NHKのBSアニメ枠で放送、全二十六話をDVDで視聴、原作未読。
当時放送されていたことも知らなかったが、ネットの評価が高いのでレンタルすることに。
あらすじを読む限り、特に興味を引かれるような話ではなく(失礼!)
DVDも始めの数枚を見る限り、強く印象に残るものでもなかったので、
久しくレンタルリストの下の方に置きっ放しで、全話視聴に随分と月日が経ってしまった。

視聴を終えた今、己の見識を懺悔すると共に、全話を通して視聴し直したいと思う。
良い意味でのNHK品質、萌えも派手さもないが、堅実なジャパニメーションだと思う。

今から数十年後、宇宙ステーションや月面で人間が生活し、宇宙の廃棄物が問題となる時代、
廃棄物の回収作業を生業とするサラリーマンの成長と葛藤の様子を描いた物語。
序盤は“ショムニ”的なドタバタ、中盤で人物の掘り下げ、終盤やや鬱な展開と最後に希望。
エスエフと言ってもアクションやファンタジーでなく、あくまで人間ドラマである。

就職、仕事、転職、恋愛、結婚、家族や友人との繋がりと死別。
発展途上国、先進国、貧富の差、人種差別、正義と欺瞞、そしてテロ。
各話毎に極めて現実的なテーマを視聴者に投げかけるなかで、多くの伏線が織り込まれる。
最後の数話で物語りは急展開するが、伏線をきちんとまとめて、静かに暖かく幕を閉じる。

視聴者の大半であろう青年層は、主人公のハチや愛の生き方や葛藤に感情移入するだろう。
いい加減歳を食った自分は、彼等のストーリーは理解できるが、少しばかり気恥ずかしい。
むしろ、宇宙線と闘病を続けながら主人公にメッセージを残した師匠のギガルト氏や、
ギガルト氏の更に師匠であり、月面で生涯を閉じることを選択したローランド氏、
優秀な宙航師でありながら、最貧国たる祖国の未来のためにテロ活動に身を投じるハキム氏、
主役の脇を固める面々の“生き様”に共感することが多かった。

総じて、設定、シナリオ、人物群が魅力的で、描画、OP/ED、音楽の作りが丁寧である。
谷口悟朗監督とサンライズ、いい仕事をしている。
青少年からオジサンまで幅広くお勧めの完成度の高いアニメ、で星みっつ、である。
(「ドラマ・アニメ鑑賞」(拾弍)につづく)


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